国内のマーケットが飽和状態あるいは縮小傾向になるにつれグローバル展開を目指す企業が増える中、ビジネスの場面において、英語でのコミュニケーションはますます重要、というより必須のスキルになりつつあります。プライベートでも海外旅行が楽しくなったり、趣味のコミュニティを広げることができたりと、外国語を習得するメリットはたくさんありますよね。
今回は、そのメリットをさらに大きくするために、英語以外にもう一つ学ぶとしたらどの外国語がいいだろう、ということを考えてみたいと思います。
人口で考えてみる
はじめに、なるべくたくさんの人とコミュニケーションを取れるようになりたい!という観点から、話す人の多い言語を調べてみました。
まずは母語人口。Wikipedia によると、中国語、スペイン語、英語がトップ3です。スペイン語は、スペインのほかメキシコ、コロンビア、アルゼンチンなどのラテンアメリカで広く使われています。ちなみに、国連の公用語は、 英語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、アラビア語 の6つです。
言語 | 人数 | 言語 | 人数 | ||
1 | 中国語 | 13.1億人 | 6 | ベンガル語 | 2.3億人 |
2 | スペイン語 | 4.6億人 | 7 | ポルトガル語 | 2.2億人 |
3 | 英語 | 3.8億人 | 8 | ロシア語 | 1.5億人 |
4 | ヒンディー語 | 3.4億人 | 9 | 日本語 | 1.3億人 |
5 | アラビア語 | 3.2億人 | 10 | ラフンダー語 | 1.2億人 |
一方、同じく Wikipedia で言語を話す人の数を見ると、英語、 中国語、 ヒンディー語に順位が変わります。先ほどと同じ統計に基づいているのに中国語の人数が減っているのが謎ですが、英語を除いて中国語がトップであることには変わりがないため、ここでは置いておきます。
スピーカーの人口という観点からは、アジア圏なら中国語、中南米ならスペイン語、アフリカならフランス語あたりが有力でしょうか。
言語 | 人数 | 言語 | 人数 | ||
1 | 英語 | 11.3憶人 | 6 | アラビア語 | 2.7億人 |
2 | 中国語 | 11.2憶人 | 7 | ベンガル語 | 2.7億人 |
3 | ヒンディー語 | 6.2億人 | 8 | ロシア語 | 2.6億人 |
4 | スペイン語 | 5.3億人 | 9 | ポルトガル語 | 2.3億人 |
5 | フランス語 | 2.8億人 | 10 | インドネシア語 | 2.0億人 |
訪日外国人の数で考えてみる
日本に訪れる外国人も急増中です。JTB総合研究所の資料によれば、訪日客のトップ3は中国、韓国、台湾。この3か国で全体の3分の2を占めています。中国語や韓国語といったアジア言語を習得するのも良い選択ですね。いずれの国も行きやすいですし。
中国 | 838万人 |
韓国 | 754万人 |
台湾 | 476万人 |
香港 | 221万人 |
その他アジア | 387万人 |
北米 | 194万人 |
ヨーロッパ | 172万人 |
影響力で考えてみる
POWER LANGUAGE INDEX (2016年)という、言語の影響力を地理や経済をはじめ5つの観点からスコアリングしたレポートのランキングがあります。言語を話す人の数やGDP、旅行者数、インターネット上の情報や論文数、IMFや国連における影響力などから言語の影響力を評価したものです。
1位:英語、2位:中国語、3位:フランス語、4位:スペイン語、5位:アラビア語、6位:ロシア語、7位:ドイツ語、8位:日本語、9位:ポルトガル語、10位:ヒンディー語
上位6つがそのまま国連の公用語ですね。総合的な評価という意味ではビジネス面でも趣味としても参考になるかも知れません。 仕事での優位性を考えると、やはり中国語が良い選択なのでしょうか。同じレポートに 2050年の予測も掲載されているのですが、日本が8位から10位にランクダウンしている以外は顔ぶれに変化はありませんでした。
人気で考えてみる
外国語会話スクールのランキング、大学の第二外国語のアンケート結果等、いくつかのランキングを調べてみましたが、順位の差はありますが、フランス語、中国語、スペイン語、ドイツ語、韓国語の5つの言語が人気のようです。
理由はいろいろあると思いますが、仕事で必要になったり、文化に興味をもったりと、動機がはっきりしていると学習にも身が入りますし、実際に現地で使える機会にも巡り合えそうですよね。
各言語の特徴
中国語
言うまでもなく中国は今もっとも勢いのある国の一つです。経済も右肩上がりで、今後中国語を使えるビジネスパーソンの需要も高まりそうです。 香港で話されている広東語、台湾の台湾語などいくつかも種類があるようですが、 特別な事情がない限り北京語を習得するのがいいでしょう。
中国語についてよく言われるのは英語と文法が似ているということです。また字体が若干違いますが、漢字ですので意味も何となく分かりやすいです。一方で四声(しせい)と呼ばれる発音のルールが難しいということもよく言われます。はじめは自分の発音が合っているかどうかの判断がつかないので、発音については独学が難しいかなという印象です。
スペイン語
何といっても通じる国が多いのが魅力です。ネット上でも、特にサッカーの動画などは、おそらくスペイン語だと思われる実況がついたものが多く、意味が分かれば楽しそうだなあと感じます。片言でも話せればすぐに友達になれそうなスペイン語圏の人々のイメージも、モチベーションを高めてくれます。
言語的には、すべての名詞に性別があるというのが有名ですね。また、ローマ字読みでいけるので、発音は覚えやすいというのもよく聞きます。文法は時制変化がやや難しいようですが、時制変化は英語も多いので対応できないことはないでしょう。
フランス語
話せればかっこいい、というイメージはありますね。人気はかなり高いようです。文法はスペイン語より難しく、ドイツ語より簡単という感じのようです。英語と同じヨーロッパ言語ですから、お手上げということにはならないかと。
耳にした印象として、発音が難しそうです。 あと、フランスには1度しか行ったことがありませんが、片言のフランス語を話す外国人に冷たそうなんですよね・・・(偏見)。旅行中に使って楽しめるかどうか不安です。
ドイツ語
ドイツ人は全員英語を話せるという勝手なイメージを持っているため、個人的には習得の必要性を感じないのですが、音楽留学などでは必須になるようです。
発音はそれほど難しくなく文法は難しいと聞きますが、英語と同じヨーロッパ言語ですから、英語の知識は相当に活かせると思います。
韓国語
実は、日本において英語以外の外国語で一番人気が高いのは韓国語だと言われています。政治的には色々あったりしますが、隣の国ですからね。韓国語は日本語と文法が似ているのが特徴です。 文字が特殊なのでとっつきにくい印象がありますが、法則を覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。読むだけなら1~2週間でマスターできると思います。 また、単語も漢字由来のものが多いので日本語に似ていて覚えやすいです。発音も中国語よりはカタカナ発音で通用する感じがします。
使えるのが韓国限定になりますが、一番近い国ですのですぐに力試しに行けるというのは魅力的です。韓国の文化に興味があれば検討してみてはいかがでしょうか。
目指せマルチリンガル!
ということで、英語の次に学ぶ外国語を調べてみました。来年は東京オリンピックがありますので、関東圏の方々は海外からの観光客と接する機会も増えるかも知れません。私はオリンピックまでに中国語と韓国語で道案内できる程度になりたいな・・・と考えています。